みほみほ

ゴッドファーザーのみほみほのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)
3.9
この映画を通してコルレオーネを好きになった。男の美学と言ってる方が多い事にも納得。こんな祖父が欲しい。 …にしても何だろう…あのマフィア特有のコートと帽子のかっこよさは!あれを羽織るだけで、冴えないおじさんも8割増しにダンディにかっこよく見えてしまうマジック。逆に痩せた男より恰幅良い方が映えると思う。マフィア衣装、素敵。

最初の方は コルレオーネの悩ましい表情は、どんな手段を使っても身内または身内同然に認めた存在をズブズブに甘やかすダメ親父にしか見えなかったが、段々と深い愛に満ちた人だと分かってきた瞬間から、その悩ましい表情に対して見えるものが変わってきた。あの独特な口元。決して感情的にならずとも怒りが伝わってくる美しさ。

兄弟唯一 組織に加わらず正義感と優しさがあってまともだったはずのマイケル。ただの金持ちボンボン息子で頭が切れるがどこか冴えなかった姿から、復讐で顔つきが変わって行く様は 実に印象的だった。やっぱり人間を一番変えてしまうのは、憎しみなのだろうか。そして穏やか者こそ、秘めている反動が大きいのだろうか。マフィアの善悪は別として、マフィアとして男を上げていく過程は悲しくもかっこよく写りとても美しかった。まさか跡を継ぐとは思わなかったけど、様になってた。ラストなんか顔付きが別人だったし。

コルレオーネが 終始悩ましい表情を浮かべていて、悩める父の哀愁を漂わせている時より、ファミリーのトップでいる姿の方が頼りなく思えて面白いんだけど、素敵だった。コルレオーネの移り変わる表情を見ているだけでも楽しい。たまに可愛い。争いに対して 本当の悲しみを受けて向き合った時、彼の心の深さと 器の大きさを感じた。

病室のベッドでマイケルの仕業と聞いた時の表情と、ソニーの死を聞いた時の静かに悲しみを噛みしめる表情が 忘れられない。

この映画の中での赤ちゃんの泣き声は、凄く不快に刺さってきて、不安を助長するのに凄く効果的だったと思う。

コルレオーネの娘さん、馬鹿なの?
ヒステリックだし、暴力振るわれてるのに兄弟を責める気持ちがあるだなんて。と思いながらも、女性としての性なんだろうと思ってしまった悲しい性。
馬鹿な男に馬鹿な女。

観る度に 噛みしめる度に、理解が深まって面白くなっていく作品だと思うので、もっとゆっくり味わってから パートIIに行きたいと思う。なんせ静かで長いので。

パートIIは過去に間違えていきなりレンタルし、意味も分からず挫折したのだが、今なら絶対楽しめるはず。そんな気がする。

やっぱりわんさかおじ様が出てくる映画は味わい深くて最高!哀愁が漂いまくっていて、噛み締め甲斐がある。

私の大好きな映画のジョン・ルーニーより人間味を感じられた ドン・コルレオーネの方が好きになりました。

結果的にドンとして男気ムンムンになるアルパチーノだが、やはりアルパチーノの顔は好きではない事が発覚。好きになれず残念。

補足
ズートピア のキツネ(ニック・ワイルド)を観たばかりなので、マイケル=キツネに笑ってしまった。マフィアになってからのマイケルも素敵だが、キツネのニックの方が良かったかな。
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