肉鹿

無言歌の肉鹿のレビュー・感想・評価

無言歌(2010年製作の映画)
3.2
1960年、中国。モンゴルにまで続くゴビ砂漠で強制労働を強いられてる人々がいた。彼らは雄弁に政府を批判した人たちだ。だがその声も今は枯れ果て、ただ死を待つだけになっていた———中国を代表する映像作家、王兵の現在唯一の劇映画。

初ワンビン!!!😆9時間とか14時間の長すぎるドキュメンタリーで有名な監督らしいです。
それでもこの作品は109分と短くしかも劇映画なので敷居低そうで見てみました!

正直、敷居は高い、、
全編昼でも夜でも変わらず殺伐とした荒野で極限の状況を刻々と映し出してて、見た人100人中99人は不快な気分になりそう、、🤮

特に鮮明なのが食。
お腹の中で膨らんで死に至る木の実や、野ネズミをドロドロに溶かして食べたり、描写はないけどカニバリズムを仄めかしたり、今度は直接描写ありで人が吐いたゲロを食べるシーンなんて鳥肌しかなかった、、
演技を超えた食べ方でドキュメンタリーかと疑いたくなるほど。

ドラマ的に盛り上がりそうな展開でも演出抑えて派手にする気は一切なくストンと物語を終わらせるのが、この物語をフィクションとして風化させる気はないという監督の強い意志を感じる。
他のドキュメンタリー作品も見たくはなります。

この映画を見て不快感以上のものを感じた人は当時の中国に生まれてたら"あっち側"に行ってる可能性高そう。判定基準もアバウトそうなのが恐ろしい、、
肉鹿

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