無言歌の作品情報・感想・評価

「無言歌」に投稿された感想・評価

miyagi

miyagiの感想・評価

3.5
中国共産党の右派の人々が、強制労働という名のもとに、死へと向かっていく話。
ドキュメンタリーが有名なワンビン監督の実話ベースのフィクション。

冒頭から無慈悲に奪われていく命。
ただ空だけが青い。
人間としての尊厳を奪われてなお、食うことには執着するシーンが異様な形で描かれ続ける。
ここはR18でも足りないぐらいの光景に目を背けたくなる。
隣で人が死んでも目の前の飯を食うことを優先するのは、もはや倫理観を失いながら、己が生き残るための本能として生かされている人間の様子が描かれている。

ちょっと強烈すぎる内容だったが、いかんせん通常の作品の倍以上の時間をかけてシーンを切り取っているだけに、かなり退屈なのも確か。
日々腹一杯飯が食えることにただただ感謝。

次回はワンビンのドキュメンタリー作品を是非観てみたい。
dadadany

dadadanyの感想・評価

3.2

このレビューはネタバレを含みます

pappo

pappoの感想・評価

1.1
素晴らしい作品だと感じるのだが、日々ろくに飲み食い出来ずに飢餓状態にあるはずの思想家達がみな血色良く、肌ツヤ良く、体型も丸っとしてたこと。
ドキュメンタリータッチで描かれているのでなおさらそこが気になってしまい、ストーリーに入っていけなかった。
あとみんな行儀いいねー、生きるか死ぬかの瀬戸際に立っても食い物を奪い合うこともなく、他人を出し抜いたり、いびり倒したりなんてこともなく、女には紳士的で優しく、極限状態の人間がホントにそんなに品行方正でいられるものなのかな? と疑問に思ってしまった。
それは思想家ならではなのか?
そういう人間の有り様と、一方では遺体を喰ったり、ゲロを喰ったり、死体の着物を食い物に変えたりといったことがセリフであったりして、なんだか妙に不一致感を持ってしまったことよ。
あまりに非人間的な部分は表に出来なかったのかもしらん。
ザン

ザンの感想・評価

3.7
次々とヒトがモノになっていく。感情もなく運び出される。死体となっても荒らされるのだから、安らかな眠りはそこにない。飢えによってもたらされる狂気。想像できない域である。
Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

3.8

‪「無言歌」‬
‪冒頭、荒れた大地。中国西部のゴビ砂漠、死んだふり、塹壕、過酷労働、配給飯、地中の寝床…囚われの人。轟々と鳴る風…本作は初見で王兵映画を一気に観るきっかけになった傑作で終盤に慟哭な声で読み歌われる詩“蘇武牧羊”の一節が余りにも悲痛で哀しく…本作は49年毛沢東の革命が始まり後‬に弾圧される反右派闘争の収容所生活を映した美しくも残酷な王兵の映像美が胸に迫る。自然の猛威、風と砂が闇を隠す…とことん砂漠の風景と化石の如く詩を放つ老人の姿や嘔吐を食する労働仲間、次々と死に倒れる人民。これ近代中国の歴史の傷跡を真っ直ぐに映した傑作で貧困を超えた飢餓映画でもある。‬廃盤で中々お目にかかれなかった紀伊國屋の廃盤映画で、ずっと観たかったワン・ビン(王兵)の初長編作品「無言歌(むごんか)」のBDを安くディスクユニオン新宿店で購入。本作は中国の文化大革命前の歴史に隠された悲劇を描いているらしい。彼の作品をレンタルされず簡単に鑑賞出来無いの辛いわ…………。‬
ワン・ビンの初劇映画だが、女が泣き叫ぶ様子を延々と撮るなど、時おり挟まれるドラマティックな要素がかえって良くない作用をしている。
ドキュメンタリー作品の方がこれよりもずっとサスペンスフルでドラマティックな瞬間を撮っていたと思える。
ワン・ビンのドキュメンタリーはとにかく動く映画という印象が強いが、劇映画になると途端に動かなくなるのはなぜか。
Tyga

Tygaの感想・評価

4.0
ゆっくり、しかし明白に国家に殺される。
生きたいとそれだけ思った時に、人間のままでいられるか。
とことん追いつめられた結果、人は狂っていく。
その過程を見せるというよりも、もはやその狂ってしまった人を見せてから、外部の人間との交流で何とか正気に戻ろうとする人たちを描いているように感じた。

人の吐瀉物まで食すという行為に泣きそうになりながら吐きそうになったので、いい映画だと思いました。
qwerty6

qwerty6の感想・評価

3.8
2011/11/19
中本

中本の感想・評価

2.7
分厚い題材について考えたり、砂漠を見たりしながら、画面に何も起こらないことが想像できてしまう。
(祈り)を軽々と超えた(無)への渇望 ワン・ビン王兵「無言歌」

行き着く先は確実に(死)しか存在しないのに、まだ死ねないでいる晩秋の蟷螂たち。
皆が、あるいは右派と本気で戦う事を潔しとした者でさえ、今にして思えばただ生きただけ。
仲間が食あたりで吐き下した吐瀉物からでさえ、わずかな栄養残滓を貪ろうとするその姿は
普段は歯牙にもかけられぬような雑草や虫けらからさえも嗤われる存在となった。
もはや毛沢東思想などどうでもよい。こんな日々はもうたくさん。
一刻も早く自ら幕を引きたくとも、ボロボロに傷んだ羽は打ち振る気力さえ残っていない。
(無)に返る事をここまで望む者など他のどこにいることか?

雲間を洩れる淡い陽光と、いつ止むかも定かでないゴビ砂漠の砂嵐。
この世そのものが、いよいよ終焉に近づいているような光景ですが、
砂埃の吹き溜まりで出来たような無数の小山がようやく息絶えた囚人たちの亡骸であるのはいうまでもありません。

王兵と書き、ワン・ビンと読む中国第六世代の監督、実は私と同じ1967年生まれ。
「三姉妹~雲南の子」や最新作「苦い銭」を観た時と同様、その出てくる杭に鉄槌を思いっきり打ち込みたくなる欲に駆られます。
嫉妬と羨望と迷いと怒りが混じった得体のしれぬ想念に吞まれたかのように。
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