幕のリア

カルネの幕のリアのレビュー・感想・評価

カルネ(1994年製作の映画)
4.5
ブォン!ブォン!ブォン!
ギャスパー・ノエなんて大して好きじゃないから。
そう思っていた。


グレーベージュかかったザラザラの色調。
ゴダールの『ウィークエンド』を思わせるタイトルやら強烈な画の連続、否、そんなんじゃないか。

これを見て、かのアニエスが『カノン』のプロデュースを名乗り出たなんて理解に苦しむが、なんだかフランスぽいとも感じるし、実に刺激的なエピソードだと思う。

こういうの見てると、シングルレコードよろしく、両面シングルカットとばかり、45分中編作品の二本立てなんてのも良いと思う。
無駄に長いのも、中途半端に短いのも、落ち着かない事多いので。

〜〜〜

ポータブルラジオから流れるしょーもない歌謡曲を聴きながら、テーブルを拭く家政婦のオバハン、慣れた包丁捌きで肉をカットするオヤジ、物憂げにアパートのバルコニーで佇む娘。
やがて、ラジオのボリュームを下げるオバハンとラジオのスイッチを落とし、台の上にこびりついた血や油をこそぎ落として店を後にするオヤジ。
こんなとこに強烈な個性を感じる。

テレビに映るカルネマン。
そのマスクの作りが意外に丁寧で、エル・サントを思わせる気品のあるカラーリングと仕上がりなのも印象的。
額にはC。
幕のリア

幕のリア