シュウ

ルパン三世 カリオストロの城のシュウのレビュー・感想・評価

4.5
過去に断片的には何度も見たことあるはずなのだが、
しっかり見たのは今回が初めてかも。

ルパン自体にそんなに思い入れがあるわけではない身としては、
完全に宮崎アニメの一作品として成立している

ルパンの思想は「解放」
お金も、宝石も、クラリスも、都合の悪い事実も全てを解き放ち
そのものが持っているエネルギーが輝く方向に解放してあげる

その点で、正義の名の下に隠れた悪を白日の元に晒そうとする銭形とはウマが合う

組織に属して手続きを踏まないといけない銭形は組織の中で生きるマジョリティの代弁者
それに対して法にすらも縛られず自由に飛び越えてしまうのがルパンの魅力であり憧れる理由

だからこそ社会にとっては劇薬でもある
ましてや既得権益を守りたい者にとってはたまらない

既得権益者の独占によって格差がなくならない社会と
解放によって無法地帯化し対立がなくならない社会
ルパンに爽快さを感じるのは前者の構造の中で抑圧されている証拠か
それとも我々が人間の内にある「善なる選択をする力」を信じており、解放の先に素晴らしい世界があると信じているからか

後者のようになったら素晴らしいし、その一端を担う自分でいたい

峰不二子の存在がとても面白い
彼女に善悪はなく、あるのは利益のみ
男のロマンを利用し嘲笑うかのような強かさ
男はロマンチストであり女性はリアリストである(この映画の世界では)
シュウ

シュウ