ハレルヤ

セックスと嘘とビデオテープのハレルヤのレビュー・感想・評価

3.5
専業主婦のアン。弁護士の夫ジョンとの生活は一見恵まれているようなもの。しかしアンは夫との不仲で情緒不安定になっていて、ジョンはアンの妹のシンシアと不倫している。そんな中でジョンの旧友グレアムがやってきて、それぞれが胸の内に秘めた内面が浮かび上がる物語。

スティーブン・ソダーバーグの初監督作品。当時26歳で製作した本作。確実に低予算で作られたというのが分かる内容ですが、この時からセンスの良さは間違いなく伝わってきます。

単調だけど人間関係や性的問題など様々な悩みを持つ登場人物たち。登場する人数も割と少なめで密度の濃いドラマを見せてくれます。

本作のキーマンはグレアム。自分が撮影したビデオで性的な経験を語る女性の姿に性的興奮を覚える嗜好があり、それでしか満足できない状態に9年間悩み続けている。かつての友人のジョンの妻であるアンとの出会いで少しずつ変わっていく。

ラストの場面での舌戦の末に解放された姿は印象深かったですね。こういう見せ方の巧さもソダーバーグの手腕が見えたところだと思いました。後に「オーシャンズ」シリーズのようなエンタメ作にも通じるものが感じられました。
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