このレビューはネタバレを含みます
大林監督の聴けじゃなく聴きたい
2012年7月1日 15時08分
1998年プロデューサー大林恭子ほか。撮影今関あきよし。脚本中岡京平、内藤忠司。脚本、編集、監督大林宣彦。
本作が一番大林フィルモグラフィーを振り返った時に驚いた作品でした。
らしくないというか、なんか真面目な大林映画?というか。
聴覚障害者、トライアスロン、天宮良とあの中江有利、福祉系映画かなと予想。
中江さんは山田洋二監督の「学校」で見てちょっとファンになったら、影を潜め、この映画を知り「活躍」してたんですね!と嬉しくなったもんでした。
「なんでだ?」と大林さんの作風にない映画だと。これは何かあったに違いないとファンは思うわけです。
大林ロングディレクターズカット版DVD鑑賞です。
大林映画としても誠に異色作品で、感動作品でありました。俳優の映画であります。
本当に大林監督作品ですが、別人が撮りあげた映画に見えました。
よくあります、福祉系映画、実際の話、ノンフィクション映画にあるお話。
それをキャリアのある、大林監督が撮るとこんな優したくましつつしまやかに「愛」
を魅せてくれたような気がしました。
物語は
聴覚障害者の夫婦がトライアスロンに挑戦するお話であります。
ぜひ多くの方にみてもらいたい
まあある意味ベタな感じですが、出演2人
聴覚障害者で発語を臆することなく話す天宮良
生まれつき話せない中江有利
2人の素晴らしい演技必見。
私は中江さんの演技がとっても素晴らしいと思い、時に涙チョロッと滲みました。
話せない途切れ途切れの声がとってもリアルで、彼女の健気な頑張り障害者としての中江さんが伝わります。
天宮さんは、主役上、らりとしっかり喋れるのはわかるんですが、天宮さんも良かったです。ちょっと高校生姿は無理あったかもしれませんが、、(笑)
彼ら2人の夫婦の軌跡を出会いから成就までレースと平行して描かれていきます。
彼ら両親に
大林組の入江若葉、入江さんもこんなに台詞が多い役初めて見ました。
「はるか、ノスタルジィ」からの大林組勝野洋
素晴らしい手話を披露する「帝都物語」のモンスターばりの巨人嶋田久作
「青春デンデケデケデケ」から林泰文と紫山智加
松田洋治さんもチラリゲスト
「あした」の高橋かおり
そして最新作品「この空の花」の出演に繋がる高島政宏、兄がチョロッと出演
感動したいあなたにぜひみてほしい
風の歌を
聴け じゃなく
聴きたい な2人の走り
2人の風をぜひ!
追伸
誠実な愛っていいですね、って思わせてくれる大林監督に感謝です!
聴けじゃなく聴きたいに「価値あり」「差があり」愛がありました。中江さんかわいいなぁ。