マヒロ

バンビのマヒロのレビュー・感想・評価

バンビ(1942年製作の映画)
3.5
森の王の子として産まれた鹿の子バンビが大人になっていく様を描いた映画。

言うなれば王になる使命を持った男の一大叙事詩であり、普通の映画なら2〜3時間かけてじっくり描きそうな物語を1時間ちょっとにギュッと濃縮しているというさりげなくチャレンジングな作品だったりする。極端にデフォルメされてはいるものの死とか生殖を割とハッキリと描いているし、終盤には雌を巡っての決闘やナワバリ壊滅の危機なんかもあったりして、舞台が動物の世界で無かったら濃ゆいマフィア映画かなんかになりそうな詰め込みっぷり。

ストーリーもそうなんだけど、一番驚いたのは登場キャラクターの一匹であるスカンクのフラワーで、あからさまにトランスジェンダー的なキャラとして描かれているのはこの時代ではかなり珍しいんじゃないかなぁ。

短い時間に濃い話を詰め込んでしまったおかげで少々物足りなさがあったりもするけど、シンプルに見えて実は厚みのある物語は流石のディズニー印だなという感じ。

(2016.118)
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