イチロヲ

丹波哲郎の大霊界 死んだらどうなるのイチロヲのレビュー・感想・評価

4.0
心霊懐疑派の物理学者(丹波義隆)が、突然の事故死を契機にして、黄泉の国を渡り歩くことになる。心霊研究家としての側面をもつ丹波哲郎が死後の世界を道案内してくれる、トンデモ・カルト映画。主演の丹波義隆は、丹波哲郎の息子。

「如何にして死の恐怖を克服すべきか」という普遍的命題に対して、丹波哲郎が独自の死生観を基に答え合わせしていく。職業監督がやらないことを平然とやってのけるため、予想外の衝撃が矢継ぎ早に押し寄せてくる。ほとんどドラッグ・ムービーの領域。

結論から述べると、「死んだ人は霊界で幸せになれる」というのが丹波先生の持論。悪人は霊界においても悪人同士でコミュニティを作るので、当人からすれば幸せということになる。ただし、自殺者だけは未来永劫、苦しみ続けることになるらしい。

本気と冗談の境界が判別しづらい、多分に困惑させられる作風だが、おそらく丹波先生は全部本気(マジ)にやっている。本作を観ると「死ぬのが怖くなくなる」ため、そういう意味合いでは大成功といえる。
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