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戦争のはらわたのtorumanのレビュー・感想・評価

戦争のはらわた(1977年製作の映画)
4.0
バイオレンスの巨匠サム・ペキンパー監督のドイツ軍視点から描いた異色の戦争映画です。

原題となるcloss of iron 十字勲章を得ようとする貴族出身の上官と叩き上げの老兵士(ジェームズ・コバーン)の争いをロシア軍との戦闘の中で描いています。

冒頭が日本の童謡「ちょうちょ」?
元は、ドイツの童謡らしいです。
この童謡にのせて、実写の痛烈な画像が次々と映る…観る人をザワつかせる演出です。
続いてドイツとロシアの激しい戦闘、凄い火薬量とエキストラの数が凄い。
宙を舞う兵士、銃弾と血飛沫が弾け飛ぶ。
ペキンパーのお家芸のスローモーション撮影が素晴らしい効果です。
迫力だけで無い、戦争の恐ろしさ・無情さが心の底に響きます。

ジェームズ・コバーン扮する老兵士が、とにかくカッコ良いです。
部下を第一に考えつつ、戦場では軍規よりも倫理観を優先した行動をとる。
今まであまり描かれなかったドイツ軍兵士だけに、余計に魅力を感じます。

ラスト、貴族の上官と共に修羅場を行く、ジェームズ・コバーンの高笑いが、映画が終わっても頭にこびりつきます。
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