まさなつ

父 パードレ・パドローネのまさなつのレビュー・感想・評価

父 パードレ・パドローネ(1977年製作の映画)
3.8
イタリアのサルディーニャ島出身の言語学者の、少年期から青年期までの話。

パオロ&ヴィットリオ・タビアーニ兄弟監督作品。好きな監督です。

少年が通う小学校に、父親がやって来て、羊飼いの仕事を手伝わさせるので、学校はやめる、と無理やり連れて帰るところから始まります。
なんちゅう親や、、でも貧しい国や地域では、どこでもある話。日本でもひと昔前は、、。

そこから、彼が、いやいや羊飼いの仕事を手伝うシーンが続きます。でも、嫌だからサボる、父親に見つかり殴られる、、の繰り返し。今なら児童虐待だけど。

その後、家業は、羊飼いからオリーブ栽培へ、でも外国の安いオリーブが入って価格暴落。気候の変動で全滅〜と苦難が続き、彼は軍隊へ。字も書けないことから、小学校から勉強し直し、大学へ行って言語学者に、、。

貧しくても苦学して学者になった偉人伝のようには、間違っても描かない 笑。

家族のことは全て決める専制君主である父親は、息子にとっては越えなくてはいけない大きな大きな壁。父親を「エル・スール」などのオメロ・アントヌッティが演じます。

結構、悲痛な状況なのに、どこか可笑しい。イタリア伝統のネオリアリズモと大らかなユーモアが融合した、この感触は独特です。
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