山田森氏

鉄砲玉の美学の山田森氏のレビュー・感想・評価

鉄砲玉の美学(1973年製作の映画)
5.0
俺のオールタイムベストの一本。学生時代に宿も決めずに東京を1週間放浪していた時、たまたま入ったラピュタ阿佐ヶ谷で鑑賞して衝撃を受けた作品。
頭脳警察のセックスピストルズよりも3年以上も先立ったジャパニーズパンクサウンドに乗せて、本当に惨めで情けなくて救いようの無い渡瀬恒彦演じるチンピラが一瞬の快楽や栄光とともに破滅していくピカレスクロマン。今まで出会って来た中での最高の女(杉本美樹)を抱くシーンで見習いコック時代のモテない主人公がトイレでセックスの絵を描きながらオナニーする所がカットバックされる所なんか、男なら誰しもが涙してしまう名シーンだろう。当時絶大な人気を誇ってた仁義なき戦いシリーズの陰に隠れてあんまり認知されてない作品だけど、個人的には70年代邦画屈指の大傑作だと思うので是非とも観ていただきたい
山田森氏

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