エンポリオ

ONE PIECE ワンピース THE MOVIE エピソード オブ チョッパー プラス 冬に咲く、奇跡の桜のエンポリオのネタバレレビュー・内容・結末

4.9

このレビューはネタバレを含みます

単なる勧善懲悪では決してない。
航海士であるナミを急病から救うため雪景色の島に上陸する麦わら海賊団。島には海賊による襲撃の過去があり、そのために逃げ去った邪悪な国王の記憶も、人々に染み付いていた。そんな島には青鼻であり、ヒトヒトの実の能力によって言葉を話すことの出来る医師チョッパーというトナカイが、彼の恩師であるドクターくれはと共に暮らしていた。そんなチョッパーには彼が味わっていた悲痛な境遇から彼を立ち上がらせ、医学を志させた忘れられぬ、ドクターヒルルクという存在がいた。
素晴らしい。あっという間の110分だった。「医学」というテーマに沿って描かれた作品世界は決してこの物語の中だけに収まってしまうような濃さではなかったように思う。これはアニメーション作品の持つ普遍的な特徴なのかもしれないが、あくまで完全に創造の世界のお話である分、鑑賞者それぞれとの距離の縮め方一通りではなく、レンジが広いために様々な事物に当てはまっていくように、特にこの作品は思えた。
ドクターくれはによるチョッパーとドクターヒルルクとの出会いそして別れまでの回想シーン。あの数十分だけでも観る価値があると言い切れる程、完成度が高かった。悲しいかな、その分ラストシーンでピークに持っていき辛いようにも思えてしまった。
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