半兵衛

いそしぎの半兵衛のレビュー・感想・評価

いそしぎ(1965年製作の映画)
3.7
不倫の末結婚したエリザベス・テイラーとリチャード・バートンを起用した不倫ドラマという、一歩間違えれば際もの扱いにされる題材を高尚なドラマに仕立て上げる手腕に感服。映画を見終わったあと脚本にダルトン・トランボが関わっていることを知り、納得。ミネリの演出も格調高く、繊細な大人の恋物語を盛り上げている。

自由主義者でシングルマザーの女性が子供を入学させたミッションスクールの校長兼神父と出会い、いつしか禁断の関係に陥るという物語。当初奔放すぎて感情移入しにくいリズだが、中盤彼女の過去が徐々に解ってきてバートン同様に観ている人も彼女の内面を理解していく展開が巧み。また自分の信念を曲げて学校の経営に専念していたバートンが自由なリズに感化されて本来の自分の理念に目覚め、それがかえって周囲の人達との軋轢を生むという皮肉な結果も印象的。リズの子供のパートも後半はほとんど出てこなくなるが、そのワンシーンのみで子供の成長といつしか母と子が別れることが示唆することを描いているので不満は感じない。

ただ前半リズとその子供のキャラクターが理解しにくいのでそこで若干イラついたかな、あとバートンの奥さんが一番の被害者のはずなのにあまり描かれていないバランスの悪さも気になる。

リズのヒッピースタイルは全然似合っていないけれど、それでも凄まじい美貌なので見とれてしまう。あとあの手ブラは反則だろう、あれやったら世の男性のほとんどはノックアウトされる。
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