ひでやん

明日、君がいないのひでやんのレビュー・感想・評価

明日、君がいない(2006年製作の映画)
3.8
オーストラリアの高校で、午後2時37分に誰かが自殺する。
時間を遡り、誰がどんな理由で自殺したのかを描く。
6人の登場人物がインタビュー形式に胸中を明かす場面と学校内のシーンで、
午後2時37分までに何が起こったのかを映す。その手法はドキュメンタリーのように見える。
インタビューされる6人はそれぞれ、
ゲイであることを悩み薬に手を出したり、排尿障害であることをいじめられていたり、全員悩みがあり、全員自殺しそうに見える。誰が自殺するのか、それがわかった時、え?と驚いた。
例えばこの映画がサスペンスで、誰が殺したのか犯人を探す話なら、なんかルール違反みたいな、卑怯なやり方だな、て思う。騙された自分が、相手の反則によって負けたような気分。
だけど自殺という重いテーマで誰が死んだか、て話でこの手法は凄い。
親友の自殺から発想を得て19歳の時にこの映画を撮った監督の感性やセンスを素直に凄いと思う。
実際に周りの誰かが自殺したことを想像すると、ゾッとする。
誰にも気付かれない。誰にも届かない。
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