藤田武彦

壬生義士伝の藤田武彦のレビュー・感想・評価

壬生義士伝(2002年製作の映画)
2.9
官軍の長髪の2人が印象的。
黒髪と白髪。女性性と老人性を象徴か。
生身で刀で立ち向かう人物に対して、鉄砲を雨あられと浴びせる姿。

佐藤浩市も見逃せない。
斉藤一をダンディに演じ切っている。


ただし、同時代への批評性が感じられない。

エンターテイメントに徹しているかといえば、そうでもない。
人斬りの視点で、共感しにくくなっている。
吉村を中心に据える方が、ラストの感動は増すのではないか。

アクションも、ただのチャンバラになってしまっている。
意図を込めた動きになっていない。

時代劇という舞台で、何を表現したいのか。
時代劇では激しい状況設定が可能になり、そこでの人間社会を描くことができる。
それを活かしてほしい。
藤田武彦

藤田武彦