松井の天井直撃ホームラン

鴛鴦歌合戦の松井の天井直撃ホームランのレビュー・感想・評価

鴛鴦歌合戦(1939年製作の映画)
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☆☆☆☆★

新・文芸坐にて
「映画ファンが考えた2本立て」特集(併映『君も出世ができる』)

評判につられ、昔にLDが発売された時に即購入し観たのだが、初見の時には言われる程の傑作には思えず。この日は久しぶりの鑑賞。

歳を取ってから観ると、また全く違った見方が出来る訳で…。時代劇なのに英語の台詞が飛び出る不思議さに、初見当時には違和感が在ったものの。この日は作品の【味】として楽しめてしまう。

いきなりご陽気に始まるディックミネ演じるお殿様と、二足三文のお付きの者達。
この絶妙な〝間〟の取り合いに思わず笑う。

そしてまだ若い片岡千恵蔵が登場。
千恵蔵を巡る女の恋の鞘当てと同時に、お殿様の骨董に対する薀蓄と。志村喬の父親の骨董趣味が共に展開され、面白さの倍増効果。

半ば予定調和に映画は進んで行くのですが、そのテンションは絶えず高く。映画は最後まで一気に突き進む。

この日の上映終了後、数多くの観客から拍手が沸き起こり、超ハッピーな気分で帰宅。

2009年12月7日 新・文芸坐