東朴幕院

ハスラーの東朴幕院のレビュー・感想・評価

ハスラー(1961年製作の映画)
4.0
ポール・ニューマンの代表作の1本。この頃の彼は、とてもハンサムで美しい位だ。しかし、それを活かす気もなかったのだろう。野心的な役柄を演じていたという印象。一方で、ニヒルで薄ら笑いをするシーンが他の出演作含んでも多いと感じていて、そこが演技派とは見られずに今で言う『キムタクが演じると全部キムタク』と同じ様な事になっていたのではと思ってしまった。
さて、そんな中での『ハスラー』であるが、ファースト・エディの名でビリヤードの名手であるが、冒頭で相棒のチャーリーと組んでプロである事を隠し金を巻き上げていたが、いよいよ、町に名人『ミネソタ・ファッツ』がやってくるという事で勝負に、しかしながら酒にも呑まれ大敗を喫する。その失敗から放浪し、バスターミナルで小児麻痺を患い足を不自由しているサラと出会い同棲するが...。
そもそも、エディは何故、サラを都合の良い女としか扱えずに、あそこまで酷い仕打ちをしたのか、全く非常な男としか思えず。よって、事件の後にファッツとの勝負に出る時のエディの決意の様なものが感じられなかった。確かにジョージ・C・スコット演じるバートに分け前を置いていけと凄まれても怯まずに対峙したのは、エディの改心というよりも懺悔の罰を受けても良いという気持ちを感じる事は出来たのが、その辺のサラへの気持ちが良く伝わってこなかったのが残念ではあった。
しかし、映画の出来は痺れる程のドライな質感な映像と音楽で有り、忘れられない名作であるのは紛れもない所だ。脇のジョージ・C・スコットとジャッキー・グリーソンの存在感も凄い。ジョージ・C・スコットのギョロ目が印象的。サラを演じたパイパー・ローリーも壊れやすく薄幸な女を熱演していたね。出演者皆の代表作と言って良いだろうね。
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