『オールド・ボーイ』が最高だったので再びパク・チャヌク作品を鑑賞。
相変わらずこの監督は物語の語り口が面白い。
敢えて余計な説明を省いてバラバラなピースを一つ一つ見せ、だんだんとパズルを組み上げてゆく過程はとても楽しかった。
タイトルからしてコメディタッチを想像させるが、結構ハードな内容。
相変わらず笑っていいのか躊躇ってしまうシーンが多いが、そこがまた良い味を出している。
チェ・ミンシクは登場シーンは少なめだが、強烈に印象に残る程の鬼畜っぷりが素晴らしかった。
ただちょっと不自然な設定があったのは残念。
特に英語と韓国語のところ…。
もう少し何とか出来なかったのだろうか。
ラストの展開であっさりと「そうなっていく」辺りはいかにも『恨(ハン)』という思考様式を持つ韓国らしい。
権力者やセレブが起こした不祥事に対し、『恨み』の感情が公然と優先されてしまう現実の韓国社会の恐ろしさを垣間見た気がする。
でもそれだけに韓国ノワールものは容赦無くて面白いとも言えるのかも。
『お嬢さん』の時も感じたが、パク・チャヌク監督は様々な工夫でとにかくエンターテイメントに徹しようとする意欲が伝わってくる。
これから注目しようかな。