bakurazi

ワンダとダイヤと優しい奴らのbakuraziのレビュー・感想・評価

3.0
本作が出来の佳い喜劇映画であることは衆目の一致するところだが、オットー(ケヴィン・クライン)というキャラクターに私はいまいちノれなかった。
コメディ映画に似つかわしくないことに、オットーは「ニクめなさ」を欠いた純粋な悪役になりすぎているような気がするのだ。

オットーは、観客の感情移入の対象であるワンダ(ジェイミー・リー・カーティス)からは何だかんだで「仲間」「相棒」扱いされている。
その一方で、多くの登場人物に対しては「いじめっ子」のように加虐性を発揮している。これではオットーの立ち位置は曖昧だと言わざるを得ない。

オットーが体現しているギャグの一つひとつは、たしかに可笑しなものばかりだろう。
しかし、その暴力的なギャグが、どのような人間関係の中で誰に炸裂しているのかを考えたとき、私はどうしてもオットーというキャラクターの在り方に違和感を抱いてしまうのだ。
bakurazi

bakurazi