グラビティボルト

大いなる幻影 Barren Illusionのグラビティボルトのレビュー・感想・評価

大いなる幻影 Barren Illusion(1999年製作の映画)
3.7
お話が超抽象的で、それを台詞ではなくアクションと切り返しで語りきってしまっているので混乱しまくりだが目が離せない。
特に唯野未歩子がコピー機を弄ってる時に画面端の不気味な女と会話する場面の切り返しは妙だ。
女の主観ショットで唯野未歩子がコピー機をいじる見かけになったかと思いきや、いつの間にか女の左肩が僅かに入る画角だった事が判明して一気にショットの視点や根拠がわからなくなって混乱する(黒沢清がミスでこうしたショットを採用する訳がないので)。
それに、この映画は切り返しで音も切断するからより空間の繋がり自体疑いたくなる。
例えば唯野未歩子が武田真治の側を向いてカメラに向かって話しかける場面とか、その視線の先に彼がいるかどうかとても不安になる。
他にも、武田真治が三度消失するショットで唖然とした。