パンケーキレンズ

デビルのパンケーキレンズのレビュー・感想・評価

デビル(1997年製作の映画)
2.5
乾いたサスペンスを得意とするアラン・J・パクラ監督、この映画の翌年、交通事故で他界し、これが遺作となってしまいました…

当時、絶頂期真っ只中のブラピと、ハリソン・フォードの共演ってので、話題にはなったものの、ハリソン主軸に脚本が書き換えられたり、それによる撮影の長期化、2人の不仲、なにかとすったもんだがあったらしく、せっかくのパクラ節も精彩を欠いているってのが、正直否めませんね(あちゃ)

アイルランド紛争と、銃社会アメリカ

暴力(武器)に訴えるのか

それ以外に手段はないのか

2つの国の暴力と抵抗の構図を、2人の主人公に乗せて描く、なかなかの骨太さを前半は予感させるんですけどね

紛争の武力衝突も、かなりの迫力

その後の潜伏とかね

そこからアメリカに移り、初めてのマンハッタンにはしゃぐブラピの姿なんて、普通の若者そのもので、うん…

生まれた環境が違えば、彼にももっと他の人生があったはずなのに…

と、ある意味、暴力的な対立(紛争)の中で、そこに身を置く事でしか生きれない人間の、「彼なりの正義」が、銃社会アメリカの現状によって、どう移ろうのかが、この映画の焦点となりそうなのに、なんせハリソン中心に話が変えられたもんで、ぼやけ加減が半端ないんですな

教会のシーンなんて、けっこう考えさせられるのにな〜

もったいないぜ!

もともと人間ドラマが薄味なパクラ監督だけに、圧倒的な手段として立ちはだかる暴力の行き場さえ、ぼんやりしてしまっては、はぁ〜…、何を味わえばいいのやらw

あ!

娘役に、ジェイソンボーンシリーズのジュリア・スタイルズがいた!若い!

「これはアイルランドの話だ」
ってのがブラピの決め台詞的に使われているにも関わらず、おもいっきり、アメリカの話(にすり替えられた)なんで、そりゃないぜ、ぽかーん、ですわな