Ryoko

イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男のRyokoのレビュー・感想・評価

3.2
7期に渡ってイタリア首相の座に君臨し続けたジュリオ・アンドレオッティを巡る事件を描く。
冒頭から暗殺シーンが続き、ラストまでマフィア映画のような様相。舞台となるイタリア建築が荘厳で美しい。そこで暗躍するのは、猫背で皺だらけで髪の毛も薄い老いたアンドレオッティ。はっきりとは描かれないものの彼の手は血で汚れていたはず。そんな彼に無駄に箔をつけるような舞台設定が何処か滑稽。
アンドレオッティの邸宅に政界、財界、バチカンの有力者たちが次々と集まり、髭を剃られるアンドレオッティを囲うシーンは、「アンタッチャブル」の冒頭のシーンを想起させた。
画作りがとてもクールで、音楽の入れ方なんかもとても良いのだけど、登場人物が多過ぎて関係を整理するのが大変。イタリア政界についてのある程度の知識と相当な集中力が必要。何度か寝落ちした。
イタリア政界にマフィアがどれだけの影響を及ぼしているかはよく分かった。財界や聖職者たち、秘密結社とも関わっていて黒すぎる。ベルルスコーニなんかも例外ではなかった。
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