アナ

風と共に去りぬのアナのレビュー・感想・評価

風と共に去りぬ(1939年製作の映画)
4.2
この4時間近くの長編大作を1,100円でスクリーンで鑑賞できる贅沢さ...

タイトルとポスターと壮大なテーマ曲は本編を知らずとも、一度は目に 耳にした事ある人が殆どだと思う。
私は宝塚版で何度か観ているので、ストーリーも結末も知っていたけれど映画を通しで観るのは初めてでした。

華やかな南部、南北戦争、絶望の敗戦から立て直すまで....そんな歴史の大渦の中で生き抜くスカーレットオハラの半生と恋模様。

この作品を観るには色んな切り口があるけれど、まずもってスカーレットオハラの強さに憧れを抱く女性は多い。

スカーレットはこの映画のヒロインなのに、アシュレとメラニーのピュアな恋物語においては永遠の端役でしかない、のが本当に面白い。
圧倒的な美貌で、荒い気性だが男を振り向かせるのも容易い、ビジネスも成功する。それでも、たったひとつ手に入らないもの、それがアシュレ。どんなに男性から人気でも、本当に好きな人だけが自分に振り向いてくれない。だからいつまでも、好き、ではなくもはや執着して追いかけてしまうのはすごくわかる。
こういう映画って、だいたい主役は美しくて心優しい純粋な女性メラニーなんだよね。本来は悪役で登場しかねないスカーレットが映画の主人公。ヒロインらしからぬ、だから面白い。

一方でバトラーはハンサムなルックスも裕福さも機転も寛大さもユーモアも、男性に求められるものは全て持ち合わせている、所謂良い男。じゃじゃ馬で時には悪女のようなスカーレットに、自分と通ずる部分を見出す。
一見完璧なこの男性も、最後の方は微妙に女心分かってないんだよなぁ...と思いつつも、彼なりに悩み、傷つき、スカーレットに歩み寄りつづける。

時には嫌味に、時には強引に接近してくるバトラー、戦火でのセリフは、あれくらい熱い言葉 憧れてしまうね。

時には交わって、また離れて。その二人の運命の結末は....

原作小説のバトラーのモデルはクラークゲーブルだったが、スカーレット役はいつまでも決まらなく、彗星の如く現れたヴィヴィアンリーが勝ち取った。
つり上がった眉と意地悪そうな目つき。どの登場人物にどんな気持ちを乗せて観るか、観客に委ねられている。
アナ

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