junkoFeb4

風と共に去りぬのjunkoFeb4のレビュー・感想・評価

風と共に去りぬ(1939年製作の映画)
4.5
コロナ禍のため、映画館再開での上映作品が限られたためなのでしょうか⁈
なんとまさかの再上映!
本当に何十年ぶりにスクリーンで鑑賞できました。
以前投稿しましたが、改めて再投稿です。

前半、後半 途中休憩あり の超大作。
堪能しました。
今のスクリーンサイズに比べたら横幅が狭く、思った以上に画面はコンパクトだったんだなぁと実感。そして、序章の音楽だけが最初数分流れ、映像がなかなか出ないのでもしや故障?などと思った頃に、映像が流れ、中盤、最後も映像なしで曲が静かに流れるという…
あの時代の上映スタイルを改めて体験しました。なかなか忘れているもので…そうだったんだと新しい発見もありました。

内容、映像、キャスティング、やはり小説のイメージそのままで。
小説から抜け出したような主人公の2人!
スカーレット演じるヴィヴィアン・リー
レッド・バトラーを演じるクラーク・ゲーブル 本当に奇跡的というか完璧な配役!

そして今回、オリビア・デ・ハビランド演じるメラニーがこの作品でとても重要な存在だったとしみじみ思いました。
若い時の私は強くてまわりに何と言われようと自分らしく生きるわがままで超美しいスカーレットに強く惹かれましたが…
今回、そんなスカーレットと真逆キャラの清楚で心優しく、まるで天使のようなメラニーにもとても心惹かれたのでした。
メラニーはまさに善意の人。
メラニーがいたからこそ、スカーレットは救われ、メラニーがいつも変わらぬ友情を持ち続けてくれたからこそ、スカーレットは自由に生きられたのだと。
彼女の存在抜きには成立しないお話だと思いました。


ネタバレになりますが…



終盤、アシュレーへの恋心が幻だったとわかった時、本当に愛していた人に気づき、その人 レッドを失ってしまった事に気づくスカーレット。
愕然としながらも、彼を自分のもとへ取り返す事を懸命に考え…決して諦めない姿。
がめつく、はしたなく見えようとも、常に自分の欲望に忠実な姿は純粋に子どものようでもあるのです。
たとえ絶望の中でもいつも顔を上げて、明日に向かって前に向かって生きるスカーレット。
その不屈の強さが最大の魅力。

南北戦争の頃のアメリカを知る、歴史映画として観てもとても勉強になります。
CGのない時代、全てセットで、大火災も実写という、お金のかけかたも半端ない迫力満点の映像も見事。
あの時代の空気が見事に再現されているのでは?と思います。

スカーレットはなかなか配役が決まらず、アトランタ炎上シーン終了後の撮影現場でヴィヴィアンに引き合わされた制作者セルズニックは、ただちに彼女をスカーレットにきめました。一目見て、『スカーレットがいる❗️』と思ったとか。。。
下品にさえなりかねないスカーレットをその品と美しさとうちに秘めた強さで魅力的に演じきったヴィヴィアン・リー

スカーレットそのもののヴィヴィアン・リーとレッド・バトラーそのもののクラーク・ゲーブル を超えるキャスティングはこの先もないのではないかと改めて思った本作。

作者のマーガレット・ミッチェルは決して続編を書かなかったそうです。
この配役に満足だったのか知りたいものです。