みんと

ライトスタッフのみんとのレビュー・感想・評価

ライトスタッフ(1983年製作の映画)
4.2
ロマン重視の宇宙モノは大好き。しかも実話となると更にワクワク感も上がる。

素晴らしかった!タイトル『ライトスタッフ』(正しい資質)に心を揺さぶられた。

劇中にも出てくるセリフ“来たるべき宇宙時代“がまさに来ている今観ると感慨深さも増し、遂に民間人でも宇宙に行ける(お金さえあれば 笑)時代到来のタイムリーなタイミングで観たせいか更に感じるところが大きかった。

NASAの『マーキュリー計画』に選ばれた7人の宇宙飛行士とその家族、更に“音速の壁“に挑戦した陸軍航空軍のチャック・イェーガー大尉に代表されるテストパイロット達のストーリーを絡めて描かれた史実に基づくドラマ。

精鋭達の勇気と誇り、どんなジャンルに於いても“最初の人“になる事の苦難を想像すると頭が下がる。勿論CGを駆使したとんでもない映像美は無い。にも関わらず飛行士目線で初めて目にした宇宙、或いは音速の壁を超える瞬間を体感し感動の波に呑まれた。

猿は任務の危険を知らない、飛行士は知っている、そこが違う。命を捨てる覚悟で任務に就く男は立派だよ。…大卒の条件を満たさず候補に選ばれず、ただカプセルに入った缶詰のスパムだと馬鹿にしていたイェーガー(サム・シェパード)の台詞が印象的。更には、何度も登場するガムのくだりは男同士の絆を感じグッとくるエピソードでもあった。

色んな損得、国家の威信、周囲の様々な思惑はあれどやはりやるべき事をやり遂げた人達の偉業には素直に最大級の敬意を払いたい。

かつてブルーインパルスに魅了され何度も基地での飛行イベントに足を運んだ身とすればサム・シェパードのパートも鳥肌だし、いつかは宇宙へ、その“つかの間の一瞬“にささやかな夢を抱く身としてもワクワク感満載の作品だった。

加えるならば、4日に1度は帰って来ないかもしれない夫の帰りを待つ妻の不安を思うと複雑。ただ一方でそれを選んだ夫に魅力を感じる気持ちにも大きく納得。
みんと

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