ナツミオ

ライトスタッフのナツミオのレビュー・感想・評価

ライトスタッフ(1983年製作の映画)
4.3
DVD鑑賞
"ガム、あるか?“
"1枚なら”
"くれないか? 後で返す“
〜Chuck Yeager

過去数回鑑賞のお気に入り作品。
DVD入手で久しぶりに観た。

有人宇宙飛行計画"マーキュリー計画"に従事した、7人の宇宙飛行士の実話を基に描いた人間ドラマの名作。

アカデミー賞4部門受賞(作曲賞(ドラマ)・編集賞・音響効果賞・録音賞)

原題 『The Right Stuff』

1983年米作品
監督・脚本 フィリップ・カウフマン
原作 トム・ウルフ
製作 アーウィン・ウィンクラー、ロバート・チャートフ
撮影 キャレヴ・デシャネル
音楽 ビル・コンティ
出演 サム・シェパード スコット・グレン エド・ハリス デニス・クエイド フレッド・ウォード バーバラ・ハーシー

(概要 Wikipediaより)
1947年、アメリカ空軍のテスト・パイロット、チャック・イェーガー(シェパード)は前人未到の音速の壁を突破することに成功する。
1957年米ソの宇宙開発競争の黎明期、NASAのマーキュリー計画(宇宙に人間を送り出す国家プロジェクト)が開始され、戦闘機パイロットが「ライトスタッフ(己にしかない正しい資質)」に従い孤独な挑戦を続ける姿と、国家の重圧に耐えながら信頼の絆を深め合う「7人の宇宙飛行士たち」(マーキュリー7)とその家族の姿とを対比して描くことで、別々の生き方の中にも勇気を持って行動する者達を称えた物語である。


以下、ネタバレあり

世界で初めて音速の壁"サウンド・バリアー”をベルX-1で突破した、米空軍テスト・パイロット、チャック・イェーガー役サム・シェパードと、彼の妻グレニス(ハーシー)との関係が良い‼️
当時テスト・パイロットの死亡率50%‼️
マーキュリー計画には参加せず、マーキュリー7を遠くで見守りながら孤独で孤高の戦いを続ける彼に痺れる‼️
イェーガーで1本作品が撮れるエピソード満載の人物。
基地と住まい、馴染みの店がある荒野。
普段は馬を乗り回し、どこかカウボーイ的。
西部劇での孤高のガンマンな雰囲気。
後半、「ソ連は35000m上昇の世界記録」を破りに、
銀色に輝く新鋭試作機"ロッキードNF104”
での挑戦シーンが激渋‼️
もう一息で高度43000m。
そこからの……
蜃気楼の向こう側に見えるのは…

ご本人はテクニカル・アドバイザーとエキストラで参加。
パイロットの集まるバー"パンチョの店”へ2人組リクルーターが来る場面に登場。
2020/12月
Chuck Yeager R.I.P.

ボヤ火災が起きた、馴染みの店。
"パンチョの店“

焼け跡でのイェーガーと妻グレニスとの会話。
"力の限界に挑戦する男、私には魅力よ!“
また、"過去の栄光にしがみつく様になったら、子供と家を出て行く”とも。奥さんの痺れる神セリフ。

マーキュリー7に選ばれた男たちと家族、スタッフとの関係、そして何よりライバルでもある仲間達が強い絆で結ばれて行くところも良く描かれている。
過酷な訓練、"猿”か"人間“か?

(マーキュリー7のメンバー)
1. アラン・シェパード(スコット・グレン)
海軍所属。空母艦載機パイロット。
メンバー選抜試験の病院
コメディ番組のモノマネでメキシコ人職員に不快な思いをさせる。
後に浣腸後に返り討ちにされるシーンは笑える。
スコット・グレン、好きな俳優さん。クールな表情と時折見せる笑み。
ガガーリン・ショックの3週間後、最初に搭乗。
搭乗機"フリーダム7”
1961/5/5 弾道飛行成功
宇宙へ行った初めての米国人
ゴードンとの小便の通信会話、笑う。

2.ヴァージル(ガス)・グリソム(フレッド・ウォード)
空軍所属
1961/7/20搭乗
搭乗機"リバティ・ベル7“
カプセル回収失敗の不運。
ホワイトハウスでの表彰式典無し。寂しい式典。妻の不満。

3.ジョン・グレン(エド・ハリス)
海兵隊所属
マーキュリー7のリーダー的役割
搭乗機"フレンドシップ7”
初の軌道周回飛行、最低7周はできる。
時速28000キロ
熱遮蔽板の異常で周回は3周
"外れたら再突入の際、彼は黒焦げに!”
宇宙空間に現れるホタルの光の様な幻想的な映像。

家族へのマスコミの執拗な取材攻勢、ジョンソン副大統領から妻への脅迫紛いの面会強制。
帰還後、妻からの電話に答える姿に胸熱‼️

一番有名な飛行士
政治家、スペースシャトル搭乗で飛行士復帰

4. スコット・カーペンター(チャールズ・フランク)
海軍所属
搭乗機"オーロラ7”
スレイトンの代わりに飛行
作品内では描かれず。

5. ウォルター・シラー(ランス・ヘンリクセン)
海軍所属
搭乗機"シグマ7“
作品内では描かれず。

6. ゴードン・クーパー(デニス・クエイド)
メンバー最後の単独有人飛行。
搭乗機"シーラ7”
発射直前まで爆睡!グレンに起こされる。
1日以上宇宙滞在した初の米国人。

"最高のパイロットは俺さ‼️“

選抜検査でのマーチ婦長(ジェーン・ドーナッカー)との検体採取のやりとり笑う。
この婦長さん、元男性⁇
口元が青い⁈

デイーク・スレイトン(スコット・ポーリン)
空軍所属
健康上の理由でマーキュリー計画では搭乗できず。

原題にもなった"The Right Stuff”="正しい資質“とは?
飛行士だけでなく、妻たちにとっても"正しい資質”とは?

是非観て、感じてください。

音楽は『ロッキー』のビル・コンティ。
この作品に相応しい交響曲のスコア。この劇伴は最高‼️
初めて聴いた時、クラシック名曲"惑星“大好き‼️
アカデミー賞作曲賞受賞。

アメリカAFI感動の映画ベスト100の19位にランクイン。

日本公開版は160分(ヒューストンでのショーのシーンがカット)
DVDはノーカット193分。
ナツミオ

ナツミオ