映画おじいさん

チョコレートと兵隊の映画おじいさんのレビュー・感想・評価

チョコレートと兵隊(1938年製作の映画)
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戦意高揚映画のはずなのに前線で藤原釜足たちが銃を構えつつ「息子がチョコレートの包み紙の点数を集めててねぇ」みたいな会話をしていてほっこり。しかしその息子は製菓会社への御礼の手紙に「大きくなったら軍人になって仇をとってやる」と記してみたり。

召集令状が来た次の場面で、兵隊を見送る人々を描いた紙芝居。送別会の賑やかな風景から定点で、皆が去ったあとの風景に。戦死の知らせがあった時に、タライに入れた魚のアップ(釣りが得意だったんです…涙)。物語は普通のイイ話だけど、こういうちょっとした編集というかつなぎが気が利いていた。

ただいかにも昔の映画らしく(?)流れがゆったり過ぎて(テンポが遅いともまた違う)、寝不足だと睡魔が襲うのも確か。製菓会社が出てくるラストも蛇足(製菓会社の宣伝映画らしいけど)。

つい先日『喜劇 特出しヒモ天国』で藤原釜足の怪演を観たばかりなので、別の感動もあった。デコちゃんは正直あんまり印象に残らなかったなー。