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ジーパーズ・クリーパーズのhorahukiのレビュー・感想・評価

ジーパーズ・クリーパーズ(2001年製作の映画)
3.6
正体がわかるところまでは面白かった。最初からモンスター映画だと思って見れば、もっと楽しめたかな。教会での弟の行動がアホ過ぎ(笑)あの姉の台詞には誰もが賛同したはず。

2018.11.19再鑑賞

『リターン・オブ・ジーパーズ・クリーパーズ』に向けて久々の鑑賞!

やっぱりオモロイっすね、コレ。
男のクッサい未洗濯の下着の臭いが大好物な殺人鬼のオッサンが、その臭いの主をストーキングしてクンカクンカしちゃうド変態ホラー。

あらすじ…
両親に会いに久々に実家へと田舎道を運転中の姉弟。途中で煽ってきたトラックが古びた教会に停まっているのを発見。そこで気味の悪い男が白い布にくるまった死体のようなものを井戸へと投げ捨てているところを目撃してしまう。男の居ぬ間に戻って中を確認すると数百体の死体が…。そのことに気づいた男が執拗に主人公たちを付け狙い始め…。

周りに何もない田舎道でトラックを追い抜くという『激突!』を思わせる誰もが嫌な予感のする出だしの後、人の良さそうな運転手の老夫妻とリアウインドー越しに道を逸れていくトラックを見せることで観客を安心させてから、嘘だよん☆と言わんばかりに猛スピードで『激突!』展開に舵を切る遊び心溢れる冒頭が楽しい。

その後の「見ている=見られてる」な嫌な怖さを煽る映像だったり、ダイナーや警察署でのやり取り等、絶対的に危険な彼方と安全領域であるはずの此方を対比し、彼方が此方へといとも簡単に侵入してくることによる恐怖によりグイグイと観客を引き込む。走ってる車から外を見るという行為。それは通常であれば安全領域からの観測。なぜなら走っている車の車内と外には明確な境界があるから。でもその境界を殺人鬼はいとも簡単に踏み越えてくる。だから怖い。

殺人鬼に追われてる人が、沢山人のいるところに逃げ込めば「助かった…」ってなるわけです。それは殺人鬼に追われるという非日常から、沢山人のいる日常空間に足を踏み入れることによる「日常を取り戻した」という実感がもたらす安堵。そして日常(此方)とは切り離して考えていたはずの非日常(彼方)が易々と此方側に侵入し、安全領域だった日常を蹂躙して行く恐怖。それはまるでホームインベージョンスリラーのよう。

本作は、そういった小規模なホームインベージョンスリラーをシチュエーションを変え段階的に何回も繰り返すような構成。本来であれば安心できるはずの空間がいかに脆弱なのかということをとことん追求し、その脆さを見せつけることで観客の恐怖心を煽る。こういうのめっちゃ好き!

主人公のアホさ全開な感じとかイライラマックスだったけど、良い感じに笑えて楽しい。姉が代弁してくれたし。あのパイプ?で足掴んでもらってまで深いとこから見ようとするのってなんか意味ある?見える範囲変わんねーじゃん。しかもネズミごときで足バタバタさせた自分を棚に上げて何も悪くない姉に当たり散らすクズっぷりも見せつけてくるし。ここまでイラつかせてくれるキャラも珍しい。それにしても予言者オバさんは何しに来たんやろね(笑)
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