おけい

ジョンQ 最後の決断のおけいのレビュー・感想・評価

ジョンQ 最後の決断(2002年製作の映画)
3.7
『ボーンコレクター』再鑑賞して、やはりデンゼルワシントンにはハズレが無いな〜と改めて思った次第。こちらも昔観たきりだったので続けて再鑑賞しました。

心臓移植しか助かる道の無い難病の息子を助けたい一心で病院に立て篭もるジョンQ(デンゼルワシントン)の決断には涙した。

確かに彼のやり方への賛否両論はあるだろう。犯罪は犯罪だ。ただ、正規のルールを踏んでたら手遅れであることは分かっていた。息子の命と引き換えることができるなら自分の命さえも簡単に差し出そうとする父親だ。余程の覚悟を感じました。

劇中、HMOという病院が入ってる保険組合の話が出てくる。健康診断は受けていたのに息子の心臓病が何故発見できなかったんだ?というジョンQと病院側のやり取りだ。HMOは医師に余計な検査はさせない。コスト削減の為だ。たとえ精密検査が必要でも医師は黙ってるんだ。そうやってHMOの意のままに動いているとクリスマスになって医師はHMOから多額のボーナスがもらえる。実情はそんな感じだよって職員が暴露するシーンがある。

あらあら、なんか最近もそれに近い話ありますね〜…あまりにもおかしなことがね。医療はビジネスなんだよな。残念ながら。

ジョンQの親友ジミーのテレビのインタビューが一番、ピンポイントで、この違和感をついていました。

(率直に言うと、全てに腹が立っている。最低だ。こんな状況は避けられたから。ジョンが金持ちだったらね。でも彼は金に執着心がない。分かっていないんだ。みんな俗人ばかりで金が全てだとね。世の中には持つ者と持たざる者がいるんだ。病院でも相手にされる者とされない残念賞組が。25万ドルを払えない人間は大勢いるんだ。そういう者を追い詰めるのは世の中の何かが間違ってるからだ。それが何かは分からないけど…ただ俺はお前の味方だぞ。)

私の大好きなシーンなんです。素晴らしい演説だと思うし、ジミーというキャラクターが大好き。そのインタビューを聞いたジョンQの表情も忘れられず胸が詰まるような名シーンでした。

ジョンQとの交渉役の刑事を演じたロバートデュパル、お爺ちゃん刑事☺️いい味出してましたね〜。レイリオッタも嫌味な所長役で出演してたので久しぶりに名優達の姿も拝めて満足度の高い作品でした。
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