イチロヲ

パルムの樹のイチロヲのレビュー・感想・評価

パルムの樹(2002年製作の映画)
3.8
植物学者により製作された木製自律人形が、世界の創造と維持を司っている神木を復活させるための旅に出る。人形の視点を通して、人間の本質と精神論を説いている、ファンタジー・アニメーション。

自我が未発達の幼い少年の姿となっている人形が、様々な人間関係に依存するに連れて、少しずつ自我を形成させていく。そして、世に蔓延んでいる不条理性までも、無意識のうちに受け容れるようになってしまう。

華麗極まるアニメーションとアートワークが全編に渡って咲き乱れている。「アニメーションにしかできないこと」を一所懸命に表現しているところに、純粋に感動することができる。

観念的な内容のため、とっつきにくい部類の作品だが、「精神はどこから生まれるのか?」「魂はどこにあるのか?」という普遍的命題には、心を揺り動かされる。主人公をロビタに代えると、手塚治虫「火の鳥」の一遍のようになるのも面白い。