モールス

あの夏の子供たちのモールスのレビュー・感想・評価

あの夏の子供たち(2009年製作の映画)
3.0
フランス映画らしい映画です。何かが起こるのですが、結局何も変わらなかった…。ザ・フランス映画でした。
ストーリーは前半の方が圧倒的に面白いと思います。ある家族の父親は映画プロデューサー。職人気質で金儲けより良い映画を制作することを優先する人物でした。仕事は多忙ながらも、時間を作って妻と娘たちとの家族の時間を大切にする良き父親で、週末には近郊の別荘で自然や歴史に触れて優雅な時間を過ごしてるのでした。しかし会社経営の実態は火の車…。返済が困難なほどに追い込まれてるのでした。ついには拳銃で自殺してしまうのでした。
後半は一家の大黒柱を失ったところからスタートします。彼の無念を晴らそうと、残された妻と娘たちは父親が生前制作中だった映画を完成させようとします。ここでハリウッド映画なら、困難をのりこえて家族が映画を完成させるのでしょうが…。本作では、どうしようもない現実の厳しさを描写してます。単に世の中の荒波に飲み込まれた母娘を見せつけられただけなのです。
父親の死後、そのような厳しい現実を見せるのも映画です。それは良いのですが、エンディングの音楽に違和感があります。ストーリー的に、いくらなんても「ケセラ セラ~」はないでしょう(笑)
話の抑揚も少ないので、のめり込みにくい作品でした。悪くはない作品なんですが…。
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