タキ

雨に唄えばのタキのレビュー・感想・評価

雨に唄えば(1952年製作の映画)
4.8
午前10時の映画祭にて。
土砂降りの雨の中でタップを踏みながらドン(ジーン・ケリー)が踊るSingin' in the Rainはキャシーへの恋に心踊りしだいに気分が高まって警察官がやって来たところでハッと我に返り恥ずかしそうに去ってゆく流れがあまりに見事で、ダントツにいいダンスシーンだった。突然歌い出すミュージカルが馴染めない人でもこの雨のダンスシーンはスッと入ってくるんじゃないだろうか。
ジーン・ケリーのダンスはダイナミックで躍動感に溢れていて目を惹く華麗さがある一方、コズモ役のドナルド・オコナーのダンスはコミカルな振りの中にも動きが繊細でとても美しい。ジーン・ケリーとドナルド・オコナーが同じタイプのダンサーではないところがいい。
サイレント映画からトーキー映画に移る時代の映画界をコミカルに描き、クスッと笑える部分もたくさんあったけどトーキーになったことで女優の悪声を排除しようとしまわりがお膳立てしたことが逆にリナをさらに追い込んでゆく様が可哀想でもあった。
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