愛すべき名作。
美しく、軽快で、巧み。
これまで見てこなかったことを後悔するほど、そしてその時間に妬くほどにすべてが美しい映画だった。
舞台はサイレントからトーキーへ映画界が変わりゆく、1920年代。
サイレントで培われたチャップリン等の身体を大きく使った演技から、声を使うミュージカル映画がヒットする時代へ変わっていく時代であった。
これまでトップ映画スターだったドン&リーナ カップル(恋人ではない)だが、リーナの声は癖が強く、歌声はいまいち、品もない。
そんなとき、ひょんなことから出会ったキャシーの歌声、正直で素直な人柄に惹かれ、サイレントとして制作していた映画はトーキーとしての撮り直しを迫られ…。
どのシーンも、今の映画にはない身体性の高い動きが散りばめられ
歌声、動き、ストーリーの3本柱で見ることができた。
ドンとキャシーの歌声とダンス、
コズモの抜群の身体能力、
リーナの美貌(そして独特の声)。
すべてが映画にぴったりフィットしていて、狂いがなく、
気づいたら完全に安心して、映画の世界にのめり込んでいた。
ララランドでオマージュされていたのも、
かの有名な雨の中歌い踊るシーンも、納得しかなかった。
名作と言われ続けるだけの魅力が溢れている。
これを期に、名作とよばれる映画を鑑賞したいと思った。
見たことのない方は、必見!