はわわ

雨に唄えばのはわわのレビュー・感想・評価

雨に唄えば(1952年製作の映画)
3.7
噂通りの名作!
CG技術がほぼ無い時代だからこその実力勝負なアナログ演出がかっこいい!

1950年代の超傑作。
無声映画に替わってトーキー映画(音声を録音して映像と一緒に流す映画)が流行り始めた時代、大スターのダンが新しい映画に口パクを取り入れてミュージカルにしようとする話。

超有名な「雨に唄えば」のシーンは、
YouTubeで単体を見た時はそれほど感動しなかったのに、
やっぱりストーリーの中で見ると全然違う!
絶望の中で突然逆転の案を思いつき、幸せいっぱいのシーン。
見ているこちらも不思議な高揚感に包まれる☺️

真夜中、大人が傘を振り回して歌い踊り、水たまりを蹴りあげパイプから吹き出す水に突っ込むという現実離れした演出は、
1度見たら忘れられない。


この作品の魅力は、色々なダンスシーンが出てくること。
特に主演のドンと親友役のコズモはダンスシーンが多く、体力の限界なんてまるで無いような激しいダンスを沢山見せてくれる。
ダンスだけでなく、楽器の演奏やアクロバット、歌までできる彼らはなんて才能に溢れた役者だったんだろうと感動した…

多分グリーンバックの合成くらいしか手段が無かった時代なんだと思う、
豪華なセットに豪華な衣装と沢山の役者たち…「本物」で勝負する感じが今のミュージカル映画と違って面白かった!

特にBroadway melody?の序盤の演出は鳥肌がたった!
カメラワークがシンプルながら凝っていて引き込まれるし、
ベルトコンベアの上で演技するなんて思いつかない…


ただ、やはり時代がかなり前なので今の価値観と合わないところも結構あった。
女性へのセクハラパワハラが普通にあるし、
ストーリーの結末も「バカな勘違い女に恥をかかせてやろう」みたいな感じで、確かにその勘違い女リーナも悪いけど結構気の毒だった。(もちろん素敵な女性も出てきます)
まあしょうがないけどね…

まあそれを加味してもいい映画だった!
ストーリーは簡潔でわかりやすく、余計な登場人物や蛇足もないし、ミュージカルに集中できる!

ミュージカル好きなら履修したい映画!
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