TAK44マグナム

スーパー・マグナムのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

スーパー・マグナム(1985年製作の映画)
4.0
殺りすぎヴァイオレンス!!



私の名はポール・カージー。
職業は建築士、きままな自由業だ。
かつては家族をもっていたが、街に巣食うダニに全てを奪われてしまった。
その時、私の中で何かが変わった。
私は銃を手に取り、ダニどもを根絶やしにすると心に決めた。
そう、私は悪党を狩る処刑人となったのだ。

ちなみに私の家族を奪ったダニの1人は後にハエ男になって死んだ。
それはまた別の話だが、因果応報だな。


処刑人業を休業してからしばらくたった頃、私は家族との思い出が残るニューヨークへと帰ってきた。
しかし、到着するなり友人が殺されてしまい、現場に居合わせた私は容疑者として逮捕されてしまった。
なんてことだ。
大切な友人が殺されたうえに、腐ったダニどもで満員御礼の留置場に入れられる羽目になるとは。

仕方なく最低最悪の一夜をあかすと、予想外の展開が私を待っていた。
私の正体を知る警察署長は、暴行や盗みをはたらくダニどもに手を焼き、奴らの撲滅を私に依頼してきたのだ。
死んだ友人の最後の言葉も、ダニどもの暴挙に悩むアパートの人々を頼むというものだったし、断れるはずもない。
警察黙認というのも悪くないが、やるなら私のルールでやる。

まずは武器だ。
それもとびきり強力なヤツがいい。
その点、我が国アメリカは便利な国だ。
電話一本でヤツのデリバリーを頼めるんだからな。
私の新しい相棒、ウィルディ・マグナム。
こいつでダニどもをぶち抜いてやる!
目に目を、弾丸には弾丸をだ!



・・・というわけで、家族を殺されたオッサンが殺人狂となりダニどもを撃ち殺してゆく「狼よさらば」、原題だと「デスウィッシュ」シリーズの三作目です。
このあと五作目まで作られますから、全然「さらば」しやしないのでした。

舐めてた建築士が殺人マシーンだったポール・カージー役はチャールズ・ブロンソン。
ミスター・マンダム!
最愛の奥さんや娘を失っている割には毎回新恋人が登場するモテモテぶりですが、毎回カージーがダニ掃除を始めるものだから、哀れとばっちりで殺されるのが恋人たちのディスティニー。


本作でのカージーは、警察署長直々にダニ掃除を頼まれたので張り切りすぎたのか、ウィルディ・マグナムの他にもブローニング重機関銃やロケットランチャーまで持ち出してド派手なブッコロ祭りをはじめちゃいます!
そんなだから相手のダニどもも重武装、カージーの大虐殺に触発された街の住人たちや警察も巻き込んで街は地獄の戦場と化すのでした!

ダニどもも、人の家だろうが何だろうが勝手に上がりこんでは家電やら現金やらを根こそぎ持っていったり、人妻だろうがなんだろうが襲いかかってはレイプして殺害するような輩ばかりで街の治安レベルは限りなく0%に近かったですが、カージーが参戦してからは射殺!爆発!炎上!の三拍子が揃った市街戦へとあっという間に発展、治安レベルがマイナス5億%に急上昇してしまいます!
まぁ、やるなら徹底的にやらないといかんですしね!
ダニ掃除にも覚悟は必要なのです!


しかし、哀しい男の闇を描いた一作目からは想像もつかない、たんなる破壊的戦闘映画になっているのが本当に驚き桃の木でして、その疑問には実はひとつの答えがあるのでした。
その答えとは、あのチャック・ノリスやヴァン・ダムにバンバン人殺しをさせては車や建物を粉々にすることに精をだしていたキャノンフィルムズが本格的に製作するようになったからであります!
そんなわけで、社会派な雰囲気は綺麗さっぱり消え去り、残ったのは荒唐無稽な暴力描写と60過ぎの老体に鞭打って全力疾走したり、パンチしたり、アイスキャンデーを頬張ったりするブロンソンの勇姿だけという、異常な娯楽映画が爆誕しちゃったのでした!

それにしたって、あんな街に住むなんて気がしれません。
いくら引っ越せない事情があるっていっても、お金や命がいくらあっても足りゃしませんよ!
朝起きればチンピラがグッモーニン!ってテレビまで奪っていくし、夜寝ようとすれば窓は割られ、男はボコボコ、女はズボズボですからね(汗)
いくらなんでも警察は常駐するべきだし、なんなら州兵呼んでもおかしくないほどの無法地帯でおったまげましたよ!
「ニューヨーク1997」か「マッドマックス」かってぐらい荒れまくり。
そんな街にポール・カージー、いやチャールズ・ブロンソン!
シリーズ随一、狂ってます!

味方のアパート住民が使うお手製鉄砲が何故命中するのか?と、ダニどものボスの変な髪型がとても気になる強烈な一作!
とりあえずブロンソるか!って時にピッタリなおバカ映画でした。
最高!

「あなた!カージーさんがダニを撃ち殺しているわ!」
って嬉々とするバアさんも最高!


セル・ブルーレイにて