TAK44マグナム

天装戦隊ゴセイジャー エピックON THE ムービーのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

2.7
少し前に、SONY製のヘッドマウントディスプレイを中古で購入したのですが、何故今頃になって数年前の商品をわざわざ買ったのかといえば、それには理由がありまして。
まず、自宅で3Dを観る場合、テレビが対応していないので(そもそも既に世間では3Dテレビは無かったことになってますが)プロジェクターで鑑賞するしかなかったわけです。
でも、昼間は観られないうえにリビングシアターなので誰もいない時しか殆ど観られないという問題がずっとありました。
おかげで積んでいるブルーレイ3Dの数がシャレにならなくなってきてしまい、このままではいかんと(汗)。

そこで白羽の矢がたったのがHMD!
頭に機器をマウントするとはいえ裸眼で3Dが観られるので明るいし、昼間でも当然OK、しかも普通のハイビジョン画質とはいえ有機ELなので映像がすこぶる綺麗。
おでこと鼻が少し痛くなるのが難点ながら、たぶん一番3D映像のポテンシャルを発揮できる機器だと思います。

そんなわけで、とりあえずGoG:リミックスやジャスティスリーグなんかを観てみたのですが、予想以上に立体視できるし、何より美しい。
4Kとは比べものになりませんが、それでも有機ELの力は偉大でした。

で、まだ観ていないものの中で、ちょこっとお手軽に観られるのはどれかな?とチョイスしたところ、本作が尺が30分もないのでお試しには良いだろうとプレーヤーにセットしました。
劇場公開時に鑑賞済みですけれど、その時は2Dでしたので3D版は初鑑賞となります。

同時上映の仮面ライダーWがメインでゴセイジャーはオマケ扱いだと思いますが、まぁそんな感じです。
いつものテレビ本編と変わりばえはしません。
ただ、敵の目的がやけに壮大になっただけ(苦笑)
その割に戦うのはいつもの荒地や森の中。
ゲスト出演は磯山さやかです。
ふうむ。なんとなくお姫様っぽいコスプレしてますが、あまり似合ってはいませんね。
ゴセイレッドは千葉雄大!
ピーターラビットの声やってましたね。
しかし、当たり前ですがまだ若い!首が長い!
彼は顔見せの演技より声優のほうが向いているような気がしてしまうぐらい、戦闘時の声のほうが様になってました。

内容は別に奇をてらうことなく、いつも通りの戦隊といった感じ。
惑星を滅ぼすラグナロクを起こす笛を巡る争いにゴセイジャーが巻き込まれます。
幻覚攻撃なんかは何度、戦隊や宇宙刑事でみてきたことか(苦笑)
様式美というか、なにもかもテンプレート化されているのが戦隊ですからね。
ただ、走っている車の屋根やボンネットに人がしがみついたまま、すぐ近くが爆発しまくるといった派手な場面もあって、かなりアクションパートは体を張っていますね。それなりに迫力があるのは、さすが劇場版。
しかし、敵怪人たちが徒党をくんでチャリンコで襲ってくるのはギャグなのか。
「ターボキット」かと思ったよ。

肝心の目的である3Dは思ったより良かった。
冒頭の宇宙船の追っかけっこや、飛び散る破片類、ゴセイジャーがビームロープで捕まって振り回されるところなどは特に立体感が感じられました。
これぐらいやってくれれば満足、満足。

因みに主題歌を歌うNOBさんは半端ない歌唱力。
「ペカザス幻想」つながりから東映戦隊で特撮・アニソン復活したのかもしれませんが、彼が組んでいたグランプリというバンドが好きで、まっど兄貴と一緒に解散ライブへ行ったのを思い出しました。
歌詞はクサかったけど、格好良かったんだよなぁ〜!


そして、今回は観るつもりではなかった仮面ライダーWの方もついつい続けて鑑賞してしまいました。
相変わらずの格好良さ!
三条陸の脚本や坂本浩一監督のアクション演出が冴え渡ってますね!
そんな感じで語りたいのはヤマヤマなれど、こちらはレビューも既出なのでこのぐらいにしておきましょう。
でも、何故か3D効果は全然でした。クライマックスでダブルがエクストリームになるところぐらいから急に3Dっぽくなりますけれど、これはCGを多用していると立体視しやすいからかもしれません。
一般的に、アニメだと3Dが映えますからね。

東映もすぐに3Dからは手を引いてしまい、いまや邦画では壊滅的。
単価をあげるために洋画のアクションもののみが3Dもしくは4D上映されているのが現状です。
もはや家庭用3Dはオワコン・・・華々しかった「アバター」の頃の家電量販店のテレビ売り場を懐かしく思うようになってしまうとは(苦笑)
どこにもお試し用の3Dテレビとメガネが置いてありましたよね。

飛び出し効果より奥行き感のほうを重視したので余計に物珍しさが持続しなかったのでしょうけれど、完全裸眼OKになれなかったのが最大の敗因かと思います。
映画館は非日常的な場所なので、アミューズメント施設のアトラクション同様、メガネを着用することに対してそこまで拒否反応は出ないのかもしれませんが、自宅でまったりとテレビを観る時に、家族全員が3Dメガネをかけていたら、そりゃ変だし慣れないでしょうよ(汗)
つまり、日常生活に溶け込めなかった・・・と。
加えて、意外とエロ業界とのマッチングがうまくいかなかったのも理由のひとつに違いありません。
家庭用ビデオの普及もAVあってこそでしたから、もっとも重要なポイントだっただろうに。

さてさて、それではこれからもっと普及すると思われるVRはどうでしょうか。
いまのところ、もっと物々しくごっついゴーグルが必須ですが。
まぁ、こちらはパーソナルな使われ方をすると予想されるので家庭用も普及する気はしますけれど、どうなることやらです。
「レディプレイヤー1 」のような世界が果たして訪れるのか。
VR専用映画は順次製作されてゆくという噂なので、そのうちVR専用劇場も出来るかもしれないし、自宅でもネット配信がVRに対応するようになって、みんなゴーグルを装着して映画鑑賞するのが当たり前の光景になるのかもしれませんね。
でも、観ながらオツマミ食べるのも大変なんで、やっぱりそこまで一般的にはならないかも??


劇場、セル・ブルーレイ3Dにて