デブチンバラ

父と暮せばのデブチンバラのレビュー・感想・評価

父と暮せば(2004年製作の映画)
3.8
宮沢りえと原田芳雄による広島弁はなんとも心地が良い。しかし、二人が語る話の内容は時に重々しく悲しいものである。広島に落とされた原爆の惨たらしさ。人々が被った心の深い傷がひしひしと伝わってきた。美津江は言う。自分は幸せになってはいけないと。それはあの日原爆で多くの人々が死んだにも関わらず、自分は生きていることが申し訳ないからだと。そして瓦礫の下で怪我をした父を助け出すことが出来ず、見捨てることしか出来なかったという深い後悔。美津江にはそんなふうに考えず幸せになって欲しいと願うのだが、戦後間もない人がそう思うことは致し方のないことなのだろう。しかし、多くの人々が原爆の犠牲になった要因はやはり戦争であり、その過ちを犯した人間であることを忘れてはならないだろう。
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