アクの強いキャラクターたちが唐突に集結してくるのがファンタジーっぽい。そこまで周辺人物を掘り下げることはなく、あくまで役所広司演じる主人公プラス自殺未遂の女のふたり中心にほぼ話は進んでいくが、周辺人物たちも異様に印象的で、UFOを呼ぼうとする青年も謎にがっつり関わってくる。柄本明が極端に人間的な欲のある亡霊のようにでてくるが、個人に潜む善悪や人間性の二面性、もしくはそのグラデーションを冷めた主人公とともに表しているのか。もしくはこの映画全体が、インサイド・ヘッド的な脳内会議みたいな感じの複雑な人間の内面を表しているのか。