ベンジャミンサムナー

薔薇の葬列のベンジャミンサムナーのレビュー・感想・評価

薔薇の葬列(1969年製作の映画)
3.5
 淀川長治「怖かったですねぇ。なんていう事でしょう!この、呪われた人間の運命。しかも、残酷の中に笑いまで込めた、本当の異色作品でしたねぇ。それでは、次の作品ご期待下さい。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」

 ピーターと土屋嘉男が身体を重ねてる場面が白飛びしてて身体の境界がほとんど無くなってるファーストカットが鮮烈。

 街に繰り出してゲリラ撮影したり、学生運動家が出てきたり、劇中の人物がご丁寧に「こういうのをアングラって言うんでしょ?」と言ったり、当時の時代の空気感が感じられる。

 前衛的で陰惨な場面もあるが、突然淀川先生が出てきて解説するように、とぼけたコメディ演出もあって観やすく感じる。