イチロヲ

夢犯のイチロヲのレビュー・感想・評価

夢犯(1985年製作の映画)
3.5
ターゲットの暗殺を依頼された仕置き人の女性(赤坂麗)が、非業の死を遂げた元恋人の幻影と対峙する。石井隆が原作&脚本を手掛けている、日活ロマンポルノ。

町のチンピラに強姦されたあげく、恋人を消失した過去をもつ女性が、ヒットガールとなって暗躍する。「拳銃=ぺニス」という暗喩が採用されており、元恋人と同じ影をもつモデルガン好きの少年が、石井隆特有の「すれ違い要素」で登場する。

「銃の扱いが巧いけれど、人殺しができない美人さん」という人物設定が最大の魅力だが、虚勢を張っているだけのドジっ娘という形容表現のほうが近い。「サイレンサーを持っていたほうが良いのでは?」とツッコミを入れざるを得ないシーンが頻出する。

総合的には雰囲気のあるドラマに仕上がっているが、鑑賞者の胸をざわつかせるほどのインパクトは備わっていない。クライマックスの重要な局面で「カキワリ現象(主人公の行動に対して、周囲の人間が無反応になる現象)」が起こるところも残念。
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