Yoshiyuki

マイ・マザーのYoshiyukiのレビュー・感想・評価

マイ・マザー(2009年製作の映画)
4.8
冒頭に映るクリームだらけの口周り。
しかも、母親の。
インパクトがありました。
基本、食事のシーンは横並び。
ジュリー先生との食事などもそうだった。
どんだけ言い合っていても、ふたりで食事している。
決まりごとかもしれないけれど、いいなと思いました。
息子のユベール(グザヴィエ・ドラン)がビデオカメラに向かって本音を語るシーンはモノクロな感じで映している。
自分の家と正反対である友達(恋人)の家でのシーンでは、また色味が変わる。
それぞれの空気感を色で表現しているかのように。
ペンキのドロッピングも感情を表現してるみたいで印象的でした。

感情はぶつけ合うけれど、本音は言わない。
言えないのかもしれない。
母親と息子の関係は、どこの家庭もそうだと思う。
愛情を表す、示すというのは難しい。
示したところで、なかなか素直に受け取ってはくれないだろう。
特に思春期と片付けられる時期は距離感が大きく変わるときだから。

素直になれるのは、恋人のアントナンといるとき。
ジュリー先生は、自分を対等に見てくれている人。
このふたりがいてユベールよかったねと思うと同時に羨ましくも感じた。

後半、見逃してしまった箇所や違う捉え方をして感じ取れなかった部分があり、他の方のレビューや解説しているサイトなどを見て観直しました。
自分の集中力と読解力の無さが悔しい…。

あと思ったのは、グザヴィエ・ドランは自分をどう映したら美しく見えるかをわかってる気がする。
新聞紙の上での行為さえも美しく感じた。
Yoshiyuki

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