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マイ・マザーのpanpieのレビュー・感想・評価

マイ・マザー(2009年製作の映画)
4.3
昨日ドランのドキュメンタリーを観て強烈にデビュー作を観たくなって鑑賞しました。

す、素晴らしい!
男の子はいないけど強烈に共感しました。
何だろう、この気持ちは!
「スィート17モンスター」を観た時の気持ちに似てる!
最近は好んで青春映画を観てる訳ではなくほとんど遠い昔なのに思いのほか共感できる自分に驚きました。

レビューしてないのですが〝BAN BAN〟の「胸騒ぎの恋人」より全然好きでした。
あの金髪の巻き毛の少年が出ていて彼もかつてのドランファミリーだったのかと気がつきました。
知らなかった。

思春期って厄介ですよね。
一人じゃ何も出来ないくせに親のやる事なす事全てが頭に来て噛み付く感じ、あそこまで派手に噛み付かなかったけど自分にも思い当たる節があったのでなんだか懐かしいようなくすぐったいような忘れていた気持ち、思い出しました。

母親役のアンヌ・ドルヴァルに逆にイラっとして観ていました。
自分から誘っておいてレンタルビデオ店で待てなくて置いてきぼりを食わせるとかゲイと分かったら寄宿舎に入れるとか気に入らないとすぐにキレて叫ぶのはフランス人気質のせい?
自分の息子がゲイと知ったらやっぱりショックだろうし息子から話して欲しかったのも分かるけど息子がすぐキレる母親に話せなかった気持ちも分かってあげて欲しかった。
あまり母親に共感出来る所がなくてドランが演じたユベール目線で観ていました。
ラストの小さい頃のビデオの仲良しだった頃が切なくて沁みました。
ドランの自伝的作品と言われていますが母親との関係に触れる作品が多いのでドランのママはこんな激しい気質の人なのかなぁ。
だとしたらドランに少し同情するけどそんなママだったから彼のあの感性が生まれたんだし感謝すべきなのかな。

ドランはこれがデビュー作だなんてやっぱり天才!
でもこれは色々分かってきた今のドランでは絶対に撮れない鮮烈であまりにも切なく痛々しい作品なので順不同で観てしまったけど今作は私の中でドラン作品の中では上位に入ると思います。
観て良かった。
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