Azuという名のブシェミ夫人

マイ・マザーのAzuという名のブシェミ夫人のレビュー・感想・評価

マイ・マザー(2009年製作の映画)
4.0
なんだか重そうで、しんどそうに思えて、見るタイミングを逃していたよグザヴィエ・ドラン。
素晴らしいね。
言っちゃえば、ひたすら思春期の親子喧嘩を見させられてる。
だけど、グサグサ刺さるリアリティと美しい幻想をうまく融合させて飽きさせない。

その体内から生まれてきた分だけ、他の人より一番に自分のことを理解して欲しくなってしまう。
誰よりもあなたに。
だから分かってもらえないと、人一倍イラついてしまうんだよね。
愛しているから、憎いんだ。

わたしの母はとても厳しかった。
とにかく『人様のご迷惑になるようなことをしてはいけない』というのが一番で、門限はもちろんのこと、子供たちだけで遠出することを絶対に許してくれなかった。
厳しい母を恨んだのに、友達や他のお母さんに『ちょっと厳しすぎるよね』って陰口っぽく言われた時は、もの凄く腹が立った。
やっぱり母を愛しているから。
そんな母は段階的に私を自由にしていき、高校を終える頃には全く何も言わなくなった。
私は何をするにも自分で判断して実行出来るようになったことに喜びを感じたし、言われなくてもやって良い事と悪い事を制御するようになった。
今となってはとても感謝している。

ユベールもまだまだ子供。
甘えて、叫んで、ぐっと堪えて、爆発して、また甘えて。
自我やセクシュアリティがようやく確立しつつも、まだ不安定だからいっぱい悩む。
お母さんもいっぱい悩んでるんだよ。
上手く重ならないだけで、同じなんだよ。
親子であることで要求のハードルが高くなるのは仕方ないけど、個々の人間なんだもん。
分かんないことだって、伝わらないことだっていっぱいある。
子供を産んだら、自動的にお手本となるような、一切不満を持たれないような完璧な人間になる訳じゃないんだから。

私は母親になってないし、これからなるかも分からないのに、偉そうにご託並べてますけど。
ほんとに世の中の母親のみなさん、お疲れ様でございます。
お母さん、ありがとう。
またお土産持って会いに行くよ!