こたつむり

X-MEN:ファイナル ディシジョンのこたつむりのレビュー・感想・評価

3.0
★ X-MENシリーズ第3弾「破壊」
壊れる。壊れていく。幼い時代の魔法が。
君にも分かりかけている。臆病な自分を。
やがて、業火に焼かれ、灰燼に帰す世界。
それでも、彼の歩みは止まらない―。

序盤はかなり良かったですよ。
前作までの積み重ねが有効に効いていますからね。喪失感に囚われて落ち込む《スコット》。そこに手を差し出す《ウルヴァリン》。うは。いいよ。いいよ。こういう展開大好き。

…と、思ったのも束の間。
躊躇なく壊されていくのは。
前作まで積み重ねてきたもの。

《ミスティーク》の忠義。
《マグニートー》のカリスマ性。
《ウルヴァリン》のワイルドな探求心。
そして、最たるのは《スコット》の扱い。

いやぁ。前作でもネタキャラの臭いがする…と書きましたが、まさしく慧眼の極みでしたね。と自画自賛したくなるほどの展開。なるほど。彼は『聖闘士星矢』で言うところの《邪武》。そりゃあ、軽々しい扱いになるのも仕方がない話ですね。

それに対して《ウルヴァリン》には、主役らしい見せ場がありました。特にクライマックスの対決場面は「嗚呼、このために貴方は主役だったのですね」と思うほどに熱い展開。説明不足に感じることはありましたが。うん。適当に脳内で補完して楽しみました。

そう。本作のテーマは「破壊」と「再生」。
監督さんが交代したことにより、設定も伏線もズガンズガンと壊される物語なのです。きっと、自分が作り出した世界観ではないから、愛着がないのでしょう。本シリーズの根底に流れる“異端の哀しみ”が薄味だったのも、それを顕著に表していますよね。

まあ、そんなわけで。
鑑賞している間はそれなりに楽しめたのですが…何故だか感想を書く段階になると、悪い部分ばかりを書いてしまうような…そんな作品でした。不思議。僕の中の“面白かった”という気持ちも壊されたのでしょうか。

さて。
劇場公開順で鑑賞するならば、次は《ウルヴァリン》のスピンオフ。個人的にはメインディッシュに臨むような気分ですよ。うひひ。

To be continued… →→→ 『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』
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