イチロヲ

緋牡丹博徒 花札勝負のイチロヲのレビュー・感想・評価

緋牡丹博徒 花札勝負(1969年製作の映画)
3.5
義理人情を大事にしている女博徒(藤純子)が、官僚との癒着を利用する悪徳組織に肉薄していく。明治時代を背景にして、気骨ある女博徒の活躍を描いている、人気シリーズ第3弾。本作から加藤泰がシリーズ参加している。

「不条理に喘いでいる弱者を救済するべく、自らにスケープゴートの役目を課す」というのがシリーズ共通のテーマ。人情家・嵐寛寿郎が統率する組織に加担することになった主人公が、強権をふるう小池朝雄の組織に抗っていく。

本作では、藤純子のラブラブ光線を受ける渡世人役で高倉健が登場。敵対者の鉄砲玉になり、主人公を苦しめてくるのだが、絶対悪ではないことをアラカンが分かりやすくフォロー。このあたりの展開は、様式美として解釈すべし。

藤純子の佇まいに雰囲気があり、「この人に諭されたら、従ってしまうよなぁ」という説得力に秀でている。余談だが、日活の「お柳情炎 縛り肌」(藤井克彦監督)、「団鬼六 縄と肌」(西村昭五郎監督)では、谷ナオミがポルノ版・藤純子を熱演している。
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