大分にいた頃。
大学生の頃からずーっと、
地元のミニシアター「シネマ5」
に入り浸っていました。
ある日、キン・フー監督作
「残酷ドラゴン 血斗竜門の宿」(1967)
を観ました。
そのとき、
この映画が出てくる映画があるんだよ、
と、支配人から教えてもらいました。
ぼくは、
映画のタイトルを書いてもらった紙切れを
そっと財布の中に入れていました。
そして、東京へ。
さすがの品ぞろえです。
オススメされたことを忘れていた頃、
ふと、レンタル店で見つけました。
それが「楽日」です。
これは、とても、味わい深い映画です。
その表現がしっくりきます。
とある映画館の閉館日の夜を、
静かに、じっくり、ユーモアを含めて描きます。
賑やかだったあの頃はもうなく、
人もまばらの映画館。
それでも変わらない光景はあります。
観客にも
映画に出演していた人にも
映画館の受付にも
映写技師にも
いろいろな感情を抱き、
時間を刻んだ空間
スクリーンがあります。
最後のシーン。
閉館してしまった映画館をみると、
失いたくない、
失くしてはならない。
と、強く思いました。
最近は「シネマ5」の支配人も
あと何年続けられるか。
と、言うことが多くなりました。
だからこそ、
そう思いました。
僕の青春が詰まった場所で、
僕の人生を彩ってくれた場所で、
支配人には、もう、人生そのもので。
そんな場所が
続いていけるように、
ぼくも何か出来るようにならなきゃ。
なんて、
とっても個人的な感情を抱いてしまう、
傑作です。
散り際が美しいなんて言葉は
あんまり好きじゃなくて。
また咲くから、いいんじゃないか。
と思うんです。
長い散文でした。
ミッドナイトセンチ(・Д・)