filmout

楽日のfilmoutのレビュー・感想・評価

楽日(2003年製作の映画)
4.5
ツァイ・ミンリャンの映画愛に満ちた一作。
本当この人好き。

閉館する映画館の最後の日を舞台にしているがメインの登場人物たちは交わらない。映画館従業員の女、かけられている映画に出演していた俳優、日本人の男。
従業員の女は映画に興味がなく映写技師の男に惚れているが届かない。
俳優はただ映画を見ている。
日本人の男はゲイでナンパ待ちのような事をしながら館内を徘徊する。
ちなみにこの映画館はハッテンバのようにもなっていて他にもそういう男たちが複数人登場する。
何かが交わるとすれば、かけられている映画の登場人物が宦官であること。
宦官とはかつて中国にいた去勢された官吏。
その部分とハッテンバ的な描写がリンクする。

他の作品でも見られるけどこの陰鬱とした湿度の高い独特の美しさを持つ映像とフィックスでじーっと見据える視点が最高。
filmout

filmout