バンバンビガロ

裏窓のバンバンビガロのレビュー・感想・評価

裏窓(1954年製作の映画)
4.3
足を怪我した男が療養中に向かいのアパートを窃視するその姿を観客が見るという一種の入れ子構造を持った映画であり他人の生活や人生を見物したいという欲望を戯画化した作品であると思う。
それぞれの窓をスクリーンにして覗き見られる人々の姿は本筋のサスペンスよりもグランドホテル的な群像劇として記憶に残る。この作品におけるグレイス・ケリーは素晴らしく構成された美しさで、それが美しければ美しいほど彼女をそっちのけで熱中する覗きという行為の快楽性が際立たせられる。
作中で起こる事件は映画の性質上仕方ない部分もあるがあまりに俯瞰的・断片的であるためサスペンス的な緊張感はないのだがそれでも十二分な傑作であるのは間違いない。
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