k

裏窓のkのレビュー・感想・評価

裏窓(1954年製作の映画)
3.9
さすがはヒッチコック。後半の緊迫感はサスペンスの神様の真骨頂ですね。

まずは大道具さんとエキストラの影の力です。あのセット、やや窓は多い気はしますが、なかなかストーリー上の登場人物の動きに合わせた見やすい窓の位置関係、とてもよく出来ています。そのセットの建物の住人たちの個性的なキャラといい、そのセットの後ろの道路を歩くだけの人やカフェで呑気にしているだけの人など、ヒッチコックのこだわりが溢れた演出、これも素晴らしいです。

前半部は、大半が密室劇だったこともありカメラワークはオーソドックスな印象でした。手紙を書くときの俯瞰めのハイアングルから寄っていくところなんか気持ちよかったですね。そして、真骨頂の後半部、サスペンス特有の緊迫感が張り詰めて、思わずドキドキしてしまいます。あの男とレンズ越しに目が合った瞬間や電話に応答した直後の間であったり、音に頼らずにドキッとさせるのってすごいですね。
k

k